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魚が良い状態で生息し成長するためには、河川もまた良い状態でなければならない。
良い河川とは、
- 川岸には木々が生い茂り、
- 朽ち果てた大木が川底に横たわり、
- その両側をゆっくりと水が流れていなければならない。さらに、
- 適当な種類の砂利が浅瀬に存在することが、サーモンなどの回遊魚の産卵には不可欠である。
また、大きな丸石(ボールダー)は川底の凸凹を変化させるので、魚の生育環境に多様性を持たせるだろう。
ブリティッシュ・コロンビア州とカナダ連邦政府の漁業省は開発によって受ける河川やクリークのダメージの修復工事を推進している。
この事業は"修復"または"リハビリテーション"と呼ばれている。
チリワック川の水流変換ゲート。このゲートと水路は魚の産卵と生息に好ましい場所を、主流のすぐ隣りに作り出している。
過去の森林政策と乱獲のために魚の数が減少したために、この工事が必要であった。
- 「愚かな森林政策」等による、上流急勾配地域での土砂の流出、
- 土手に道路を建設するための、低地帯や谷底の河川の蛇行の切断等、がダメージの原因である。
また、ブリティッシュ・コロンビア州は山の多い地域であるため、様々な地質工学的な問題が起こる。
例えば、地滑り、道路建設や森林の伐採による破壊だ。これらから生じる沈殿物が他の堆積物や浮遊物と一緒になって度々下流のクリークに溢れ出るため、河川のリハビリテーションを開始する前に安定した状態にする必要がある。
地滑り防止とガリー地帯(水の浸食によってできる地形。普段は涸れている。)を安定させる技術については、次号以降のSuimon newsで述べることにする。
河川生育環境の修復の方法は以下の通りである。
- 1) 支流を作る。
- クリークや河川の主流の中の"流れの一部"は、主流でなくなってからすでに数年たっている自然の水路にも、新しく建設された水路にも同じように直接流れ込む。
この方法の実例は、ブリティッシュ・コロンビア州チリワック川のセンター・クリークの水流変換ゲートで見ることができる。
ここでは、サーモンのための新しい水路が作られ、産卵に適した砂利が置かれている。
- 2) 大型木材有機堆積物(木の幹)を設置する。
- 川床に設置する場合―小さな滝を作るので、洪水時に上流の石が転流して侵食するのを防ぐ。
クリークをまたいで設置する場合―魚が外敵から身を隠したり休んだりするために必要な安全な場所を提供する。
クリークの川岸で木々の伐採が行われた場合、この技術は非常に重要だ。自然な生態系の中で、大木が成長し成熟しそして朽ちるまで、200年を要するのであるから。
チリワック川センタークリーク支流。食物連鎖の中にサーモンの稚魚に充分な栄養があるかどうかを調べるために、生物学者が新しく作られた川床の砂利を採集している。
後ろに見えるのが上流の主流の一部を分けて作られた支流。
- 3) 大きな丸石を川床に設置する。
- 石は洪水時の転流に耐えうる十分な大きさの物を適切な建設機械を使用して設置する。
1個の石の重量は、標準的な建設用トラックの法定積載重量を超えるものが多い。
その場合、低床多輪軸型のセミトレーラーを使用して石を適切な位置に動かす。
洪水シーズンを1〜2回経たあとには、流れが大丸石のわきを通る時にできるU型の渦が魚の生育に最適な窪みを作り出す。
- 4) サーモンの稚魚の生育を助けるために肥沃にする。
- 長い年月サーモンが産卵のために帰ってきている河川での主な栄養源は、産卵後の朽ち果てたサーモンである。
しかし、帰ってくるサーモンの数がおびただしく減少している現状では、こうした食物連鎖に影響を与えている栄養の供給量も減少している。
栄養源の不足から、結果的にクリークで生き延びるサーモンの稚魚も減少する。
与える栄養源は、
- 低い濃度の液体リン酸塩と硝酸カリウム溶液
- 少しずつ放出され、食物連鎖内の生産力を健全な形にもどす丸薬状の栄養源。
その結果、サーモンの稚魚の成長率はかなりの程度向上する。
ブリティッシュ・コロンビア州地方にとって、これら一連の事業は重要だが、費用が掛かる。 試算によると2,000の河川で、総河川延長
20,000kmのクリークの部分が"リハビリテーション"を必要とし、費用は今後20年間にわたり、毎年5,000万カナダドル(約 50億円)と見積もられている。
必要な資金は、森林伐採による収入を基金としている「水系修復プログラム」下でまかなわれている。
《参考資料》Slaney,P,A, and A,D,Martin.1997.
「ブリティッシュ・コロンビア州の水系修復プログラム」
「加速する修復プロセス/水質」
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